キーボードの進化はとどまることを知りません。その中でも長年愛用者から支持されてきたHappy Hacking Keyboard(HHKB)シリーズ。プログラマーやライターを中心に根強い人気を誇るHHKBですが、新たに登場した「HHKB Studio」は、これまでのモデルと一線を画す挑戦的な製品となっています。
メカニカルスイッチを搭載し、従来の静電容量無接点方式から大きく方向性を変えた一方、ポインティングスティックやジェスチャーパッドといったマウスを不要にする可能性を秘めた新機能が話題を呼んでいます。このキーボードが真に「理想の作業環境」を実現できるのか、そしてその新機能がどのような価値を提供するのか、気になりませんか?
本記事では、タイピングの感触や新機能の実用性を含め、「HHKB Studio」の魅力と課題を徹底的にレビューします。これを読めば、あなたがこのキーボードを購入すべきかどうか、きっと判断できるはずです!
結論を先にお伝えしておくと…
HHKB Studioは、これまでのHHKBシリーズから大きく方向性を変えた「メカニカルスイッチ搭載モデル」です。従来の静電容量無接点方式の「スコスコ感」を支持していたユーザーにとっては、正直なところ期待外れと感じるかもしれません。メカニカルスイッチを求めるのであれば、他にも選択肢が多く、「HHKBである必要性」が薄れてしまっているのが正直な印象です。
さらに、注目の新機能であるポインティングスティック、ジェスチャーパッド、マウスボタンについても、万人にとってのメリットとは言い難い部分があります:
- ポインティングスティックは画期的な試みですが、正直なところ使用するシーンが限られ、操作性も他の専用デバイスには及びません。
- マウスボタンは便利そうに見えますが、その分キーボードの下部が広くなり、タイピング時に手首の動きが制限され、むしろ使いづらい印象を受けました。結局マウスを併用してしまうことも多く、「これだけで十分」という感覚には至りませんでした。
- ジェスチャーパッドは唯一評価できるポイントで、特に右下でウィンドウを切り替える機能は便利ですが、これだけで製品全体の印象を変えるほどのインパクトはありません。
結果として、「HHKB」というブランドが持つ従来の価値や強みを期待している方にはあまりおすすめできない製品です。特に静電容量無接点方式を好む方や、タイピングの快適さを最優先に考える方にとっては、別の選択肢を検討する方が良いでしょう。
私は、REALFORCE RC1の方が、安心しておすすめできます!!
HHKB Studioは、HHKBのレイアウトに慣れているが、静電容量無接点方式が苦手な方におすすめです!!
ジェスチャーパッドなど確かに使いやすい機能もありますので、マウスを使うことをしたくない方にもおすすめです!
- HHKBのレイアウトに慣れているが、静電容量無接点方式が苦手な方!
- マウス操作を最小限に抑えたい方!
- 新しい機能に興味があり、試してみたい方!
- キーボードをメインに作業するユーザー!
HHKB Studio
HHKB Studio のスペック
まずは、HHKB Studioのスペックから見ていきましょう!
HHKB Studioは、35,860円とキーボードの中では高価格帯となっています。
製品 | HHKB Studio |
---|---|
価格 | 44,000円 |
スイッチ | (キー:Kailh製:HHKBオリジナル押下圧45gリニアタイプ) (マウスボタン:Gateron製:ロープロファイル茶軸) | メカニカルスイッチ
サイズ | 13.2 x 30.8 x 4.1 cm |
重量 | 0.84 kg |
カラー | ホワイト(雪) | ブラック(墨)
接続方法 | 有線(Type-C) | Bluetooth
動作対象OS | MacOS ChromeOS Android iOS | Windows
電源 | 電池式(有線時は給電式) |
キー配列 | 英語配列 | 日本語配列
テンキー有無 | なし |
キーピッチ(キーの距離) | 19.05 mm |
キーストローク(キーの深さ) | 3.6 mm |
キー荷重 | 45 g |
アンチゴースト(複数同時押下の誤入力防止) | 明記なし |
Nキーロールオーバー(複数同時押下可能数) | 明記なし |
HHKB Studio のデザイン
まずは、デザインを見ていきましょう!
HHKB Studio
全体
私がHHKBと言われて想像するのはType-Sの形なので、それと比べると特徴は少ないデザインになっているかなと思います。
マウスボタンやポインティングスティックが特徴的です。
マウスボタンがある分、キーボードの下の幅がかなり広くなっています。個人的にはこれが非常に使いずらい。。。
キーの位置が1段分高く感じてしまうんですよね。慣れればいいのかもしれませんが、これに慣れると他のキーボードはまず触れなくなります。
キーキャップ
キーキャップは、素材がPBTで、キー印刷が昇華印刷となっています。
質感も非常にいいので、特に不満なく利用できると思います!
キースイッチ
キースイッチは、HHKBオリジナル押下圧45gリニアタイプの静音メカニカルスイッチとなっているようです。
Kailh製と記載があるので、特注とかなんですかね。
マウスボタンは、Gateron製のロープロファイル茶軸キースイッチが搭載されておりました。
どちらもホットスワップ対応なので、好みのキーに入れ替えることも可能です!!
HHKB Studio をレビュー
続いては、HHKB Studioを実際に使用してレビューしていきます!
HHKB Studio
接続性:問題なし!有線接続も可能!
Bluetoothと有線で接続することが可能です!Bluetoothは、4台の接続先を簡単に切り替えることが可能となっています。
数か月利用しておりますが、接続性で気になる点はありませんでした。
Amazonなどのレビューを見てると、接続が不安定なことが指摘されていたりしますが、これはどのキーボードでもあることなので、あまり気にしすぎない方がいいかなと思っています。
有線の場合、付属のUSB-Cケーブルであれば接続できたのですが、他のUSB-Cケーブルだとうまく反応しなかったので、付属以外のケーブルを使いたいと思っている方は注意が必要かもしれません。
打鍵感:打鍵感は良い!でも、静電容量無接点方式がHHKBの良さだった気がする。
HHKB Studioは、HHKBオリジナル押下圧45gリニアタイプの静音メカニカルスイッチを搭載しております。
打鍵感はコトコトという感じなんですかね。静音性も高くて心地良く、オリジナルで作るくらい考えられているキースイッチなんだろうなというのは伝わります。
ただ、やっぱり改めて、静電容量無接点方式のスコスコ感が好きだったんだなと実感しました。。
あのスコスコ感を求めて、HHKBやREALFORCEを買い漁っている私からすれば、HHKBの魅力が1つ無くなった感じがします。
メカニカルキーボードで打鍵感を求めるなら、ガスケットマウントのキーボードも多数ありますし。
果たして、HHKBにこだわる必要はあるのか。。。
Amazonなどのレビューでは、静音性が高いことが良いと言っている方もいますが。
打鍵感・打鍵音の心地よさは、静音性だけではないはずです。
操作性:配列も慣れるまでに時間が掛かる。そもそも日本語配列は無理が無いか?
配列は、良くも悪くもHHKBの遺伝子を引き継いでおり、コンパクトで合理的な配列が売りのキーボードとなっています。
ホームポジションを崩さずに色々できるので、本当のプロ仕様のキーボードだと思います。
ただこれは、英語配列の場合に限ると私は思っています。
日本語配列の場合、明らかに無理やりキーを詰め込みました感が否めません。
もちろん慣れないと最高のパフォーマンスを発揮しないキーボードだと認識はしていますが、日本語配列において、これが本当に合理的なのか?と素直に思いました。
さらに、マウスボタンに合わせてキーボードの下の幅がかなり大きい。キーが1段ずつ高い印象でした。
これでは、他のキーボードは完全に使えません。
HHKB Professional HYBRID Type-Sのレビュー記事でも同じことを言っているのですが、Fnキーとの組み合わせで操作するキーが多すぎます。慣れればいいという方もいますが、それまでの効率が悪すぎてほとんどの方が途中で断念すると思います。
機能性:ジェスチャーパッドは良かった!他はなくてもいい。マウスを使わない選択はない。
HHKB Studioは、ポインティングスティック、ジェスチャーパッド、マウスボタンなど様々な機能があります。
これは、HHKBとしてキーボードとマウス間の手の移動を減らし、よりスピーディーなタイピングを実現することを目標としている方だと思います。
- ポインティングスティックは画期的な試みですが、正直なところ使用するシーンが限られ、操作性も他の専用デバイスには及びません。
- マウスボタンは便利そうに見えますが、その分キーボードの下部が広くなり、タイピング時に手首の動きが制限され、むしろ使いづらい印象を受けました。結局マウスを併用してしまうことも多く、「これだけで十分」という感覚には至りませんでした。
- ジェスチャーパッドは唯一評価できるポイントで、特に右下でウィンドウを切り替える機能は便利ですが、これだけで製品全体の印象を変えるほどのインパクトはありません。
個人的に、面白いなと思ったのと、使うかもと思ったのは、「ジェスチャーパッド」です。
サイドのジェスチャーパッドは使わないと思いますが、右下のジェスチャーパッドは多用できそうでした。ウィンドウの切り替えがここでできるのは、かなり好印象です!
HHKB Studio の良いところ
HHKB Studioの良いところを改めてまとめておきます。
HHKBで慣れている方で、静電容量無接点方式ではなくメカニカルが良いと思っている方には良いのかなと思います。
- 洗練されたデザインでかっこいい
- コンパクトで軽量なので持ち運びもしやすい
- 心地の良い打鍵感
- Bluetoothと有線接続が可能
- Bluetoothは4台のPCとマルチペアリング可能
- キー配列のカスタマイズも可能
- 打鍵音はかなり静か
- 電池式なのもいい
- ジェスチャーパッドが画期的で使いやすい
HHKB Studio の残念なところ
残念だなと思ったポイントもまとめておきます。
ほんとに、電池式にしてほしかったです。。。
- 配列はやはり慣れるまでかなり大変。
- 他のキーボードを使えなくなってしまうかも。
- キーボード下の余白が大きすぎてキーが打ちづらい
HHKB Studio のQ&A
HHKB Studioを購入するにあたり、迷いそうな点をQ&Aで回答しています。
もし、同じ悩みがあれば、参考にしてみてください!
- Cherry MXにもホットスワップ可能か?
-
通常プロファイルのMXスタイルの3ピンおよび5ピンメカニカルスイッチ(Cherry、Gateron、Kailh社製)と互換性があるようです。
HHKB Studio を最もお得に購入する方法を紹介!
実際に利用しているお得に購入する方法は、「楽天のお買い物マラソン」と「Amazon アウトレット」です。
セール時でなくても利用できるため、欲しいときに買うことができるというメリットがあります!
もちろん、セールまで待てる場合は、セールを待つのも良いと思います!
過去の最安値
HHKB Studioの過去1年間のAmazon最安値は、41,800円でした。
まだ発売されたばかりというのもあり、あまり値引き額は高くありませんでした。
そもそもHHKBはあまり値引きがないので、楽天のスーパーセールなどでポイントを多くもらうのが一番良さそうです。
過去1年間の最安値 | 41,800 円 |
楽天のお買い物マラソン(楽天スーパーセール)を利用する!
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Amazon アウトレットが無いか確認してみる!
中古にあまり抵抗がない場合は、Amazonアウトレットを活用する方法もおすすめです!
Amazonアウトレットは、返品された商品や、倉庫内で梱包時に傷を負った商品のうち、状態の良いものがお手頃な価格で販売されています!(大体数千円安くなっていることが多いです!)
Amazonアウトレットは、「ほぼ新品」「非常に良い」「良い」「可」がありますが、「非常に良い」の商品が狙い目です。
今まで利用していて、「非常に良い」はハズレはなく、ほとんど新品と変わらず、数千円安く購入できました!
コンディション | 詳細 |
---|---|
ほぼ新品 | 梱包が開梱された形跡や、商品が使用された形跡はありません。外装はきれいで新品同様の状態です。 |
非常に良い | 梱包に多少の傷・へこみ・汚れがあります。商品に目立った傷はありません。 |
良い | 梱包に多少の傷・へこみ・汚れがあります。商品に傷がありますが、使用の妨げにはなりません。 |
可 | 梱包が破損しています。商品に傷がありますが、使用の妨げにはなりません。 |
Amazon.co.jpの厳密な基準で新品として販売しないものを「アウトレット品」としているため、他の中古と比べると安心感があるので、私はよく利用しています!
一応、中古ではあるため、中古に抵抗がない方であれば、ぜひ一度覗いてみると良いと思います!
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次の最安値を見逃さないために、定期的にセールを確認しておこう!
Amazonだと「初売り」「新生活」「プライムデー」など大体3ヶ月置きに開催されています。
それ以外にも、不定期でセールは開催されているので、最安値に近いタイミングまで待つというのもありかなと思います!
(ただし、次にいつ最安値になるかはわかりません。1年後という可能性も十分にありえます。)
また、楽天、Amazon以外で、購入する場合は、詐欺サイトが多くなってきているので、注意してください。
(安すぎる場合は、詐欺であることが多いです。)
HHKB Studio
HHKBの配列をそのままに、メカニカルキーボードに移行したい方、マウスを使わずにキーボードだけで操作をすることに本気になれる方におすすめ!
HHKB Studioは、HHKBの配列をそのままに、メカニカルキーボードに移行したい方や、ウスを使わずにキーボードだけで操作をすることに本気になれる方であればおすすめできるかなと思います。
しかし、個人的にはあまりおすすめではありません。
静電容量無接点方式の打鍵感がやはり好きだったという点から、HHKBの魅力がただ無くなったキーボードとなっているように感じます。
また、配列も癖が強いので、挫折する可能性がかなり高いです。この値段で挫折して使わなくなるくらいなら、REALFORCE RC1の方が、安心しておすすめできます!
HHKB Studio